6月8日のパトビラ(№981 - 生活保護の利用はなるべくアパートで -)

毎週、野宿を余儀なくされている方(ホームレス)のところを訪問する際に持っていくパトビラ、今日はこんなことを書いてみました。

生活保護法30条は、1項でアパート等居宅において生活保護を行うことが書かれ、2項でそれが叶わなければ無低などで生活保護が行われる。と書かれています。でも保護を利用したい人の意に反してはいけないと書かれています。
しかし、同時に精神疾患、または薬物やアルコール依存症などで自力でコントロールが叶わずそのために様々な施設で入居し、その入居者に生活保護を利用してもらうことは理に叶っていると思います。
でも、そうでない方の生活保護はやはりアパート等個人の希望する場所で利用できるのが当然だと思います。
それは憲法22条1項「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」を尊重することを最優先しなければならないからです。しかし、どうもこの「公共の福祉」と言う言葉を行政は過大解釈しているきらいがあります。「ホームレスに対する生活保護の適用について」において生活費の金銭管理、服薬等の健康管理、炊事・洗濯、人とのコミュニケーション等の確認を行政に通達しているのです。
それについて筑紫女学園大学の池田和彦先生は異を唱えており、また小田原市もジャンパー問題の委員会の中でできるだけアパートでの生活を薦める、と言っています。その意識が生かされない憲法違反に等しいような過剰な制約には反対していきたいものです。


今回の話は非常に大事な話なので、いつにもまして是非読んで頂きたい話です。

憲法第25条『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。』

は日本のどの関連法律もこの趣旨を犯してはならないものです。

その配下(関連)法律に生活保護法があり、
第30条 生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする。ただし、これによることができないとき、これによつては保護の目的を達しがたいとき、又は被保護者が希望したときは、被保護者を救護施設、更生施設若しくはその他の適当な施設に入所させ、若しくはこれらの施設に入所を委託し、又は私人の家庭に養護を委託して行うことができる。
2  前項ただし書の規定は、被保護者の意に反して、入所又は養護を強制することができるものと解釈してはならない。
3  保護の実施機関は、被保護者の親権者又は後見人がその権利を適切に行わない場合においては、その異議があつても、家庭裁判所の許可を得て、第一項但書の措置をとることができる。


最初に個人の居宅で保護は行われるべきである、と書かれ、それが叶わない時は無低当施設や病院のベッドなどでも構わないと記載されています。ただし、2項目ではそれに際しては本人の同意がなければならないと書かれています。
そして3項目ではそれでも同意が不要の場合もあると言います。

個別に見れば、本来は本人の居宅(アパート)で生活保護は受けるべきだが、日雇いで働いた人が怪我などで(労災を嫌がる企業もいっぱいいるんです)入院しその費用は払えない場合はベッドの上で保護の利用開始があるなどもOKという意味でしょう。
でも、2項と照らし合わせると強引にアパート等の居宅でない無低のような一時保護施設でしか利用できないことがあってはならないので、本人の同意の必要性を書いています。
ただし、意識が無い場合、薬物などで自分の意見が正確に伝えられない場合は同意を待つことなく病院や施設内で保護の利用開始が始まります。
というのが生活保護法。

そんな生活保護法の運用の最中、様々なトラブルが生じることがあります。その対処のために、地域ごとの条例があったり、また細かい通達事項があります。その一つに「ホームレスに対する生活保護の適用について」があります。
そこには生活費の金銭管理、服薬等の健康管理、炊事・洗濯、人とのコミュニケーション等の確認
の必要性が書かれているわけです。
それを盾に現在無料低額宿泊所からアパートに入る時は、本人の希望の後、約半年ほどの金銭管理ができるか?とか近隣住民とのコミニュケーションが取れるかなどをケースワーカーさんがチェックします。

しかしそれは憲法22条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。
に抵触しないだろうか? と疑問視します。


「ごみ屋敷」と呼ばれる家庭があります。その一部は生活保護利用者です。「ペットの行動(鳴き声)」で諍いを起こす家庭もあります。その一部は生活保護利用者です。家賃の滞納や電気ガスの供給ストップをされている人がいます。その一部は生活保護利用者です。
もちろん保護を利用しない人でもたくさんいますし、それを理由に憲法の恩恵から除外されることはありません。
ごみを散らかして片づけもしないで転居することは、民事上や道義的責任はあるものの、憲法22条の保障された転居の自由を束縛されるものではありません。ペットの諍いで周辺住民から訴えられても民事上・道義的責任はあっても転居を強要されることなく生活保護利用者なら利用を継続しながら住み続けられます。家賃の滞納があったからと言って大家さんではなく行政職員から無低に転居をさせることはありません。

しかし、野宿者が無低に入った後は、そうした様々なことが出来るか行政がチェックしおめがねに適わなければアパート入居をさせてはいけないと厚労省が言うのです。
明らかな差別問題ではないでしょうか?


筑紫女学園大学の池田和彦先生の論文『生活保護制度における居宅保護と施設保護』から引用させて頂くと
ホームレス以外の要保護者が生活保護を申請する場合、当然のことながら、上記のごとき判断基
準に則して「居宅生活を営むことができるか否か」がチェックされることはなく、原則として居宅
保護が適用される。かようなチェックがホームレスの場合にのみ課せられること自体が差別的取り
扱いであると同時に、実際にも、多くのホームレスは、チェック項目のいずれかに該当すると見做
され、居宅保護が原則であるとは言い難い状況を生んでいる。「居宅生活を営むうえで必要となる
基本的な項目」のいずれかに課題が見出されることはあろうが、そのことが「居宅生活を営むこと
ができ」ない理由となるか否かは別次元の問題であり、基本的には、居宅保護を行いながら、必要
な支援を届けるべきなのである。


これは明らかな人権問題であり少し真剣に考えたい問題であります。た
だ、法律関係者でも学者でもないので、鵜呑みにしないでください。これが正しいかどうかを市などと協議していくつもりでいます。

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