3月9日のパトビラ(№969 - 森川弁護士ビシッと指摘 -)

毎週、野宿を余儀なくされている方(ホームレス)のところを訪問する際に持っていくパトビラ、今日はこんなことを書いてみました。

ジャンパー事件を受けて生活保護行政のあり方検討会が開催されています。根底となった傷害事件について、検討委員の森川弁護士が、小田原市の対応についてビシッと指摘しました。
1. 野宿生活で保護を申請する時、居宅をNPOの無料低額宿泊所しか紹介しないのはおかしい
2. NPO無料低額宿泊所に6カ月以上入居するよう指導するのもおかしい
3. NPO無料低額宿泊所を拒否した場合、生活保護の申請相談を受け付けないのはおかしい
この3点は皆さんにとって大きな関心ごとだと思います。今まで小田原市は、相談に行けば無低を紹介し半年程度の生活実績をもって社会的な生活が可能と判断していました。その裏にはアパート入居後にすぐに失踪し、その敷金礼金を監査されて改善を求められたという側面もあったでしょうけれど、弁護士から法的に問題が指摘されそれについて反論しなかったことから、監査においても専門家からの違法とキチンと言えるようにする覚悟だと思っています。また、14日以内に保護の判断を出すことを30日まで引っ張っていることも問題視されました。迅速な決定がなされると思います。小田原市保護政策も大きく前進します。


小田原市職員は、根はいい人が多いと思います。今回の事件でそう感じました、上からの命令には「ド」が付くほど生真面目に対応しているのでしょう。
だから経済的にひっ迫していると言われれば板挟みでこの難局を乗り越えようとしたのだろうな、と思います。
多くの矛盾点がこの2回専門家の先生から出されました。僕も行政から説明を受けて、その説明が間違いだったという事も分かりました。その一つがこのトピックスです。

たぶん、僕に「まず無低!」を説明してくれた職員はウソを言おうとしてわけではないでしょう。本当に部長や課長から監査が通らないから、ダイレクトにアパート入居をさせないようにと言う指示があったのでしょう。
でも、それが法的におかしいのであれば、堂々と監査官と渡り合わなければいけないのです。
監査官も自分がクレームとつけることで法的に問題を起こさないように十分法律を読みこなしたうえで、そして「血の通った」という想像力と裁量権を以て臨んでほしいものです。
【 第2回目の聞き取り 】

第2回生活保護行政のあり方検討会 
2017年3月4日 13:00-15:00
小田原市役所7階

座長:井出英策氏(慶応大経済学部教授)
出席者:森川清弁護士、和久井みちるさん、櫛部武俊(釧路社会的企業創造協議会副会長)、猪飼周平(一橋大社会学教授・欠席)
市職員は割愛

意見交換の主な内容:生活保護行政の状況確認、問題点の洗い出し

1.井手座長開会宣言と櫛部氏のあいさつ要請

2.櫛部氏
北海道釧路から来た。13年障碍者政策、23年間保護に関わってきた。

3.小田原市企画部副部長の資料説明
資料1の説明。第1回問題点の整理を説明。1、2,5,8,10項目をピックアップしてこのような意見を頂いたと説明し、問題点としては。2ページ2,4,6,9.10項、3ページの1,7,11,13項目をピックアップしたことから、神名部氏若しくは検討会プロジェクト市側職員がこの各項目を重視しているのだろう。

4.市生活支援課長の資料説明
資料2を説明。
→(2)で無低に入ったのは本人の意思を確認と言うが、選択肢があったのかは甚だ疑問

5.市行政管理課長の資料説明
資料2-2を説明

6.市生活支援課長の資料説明
資料3を説明。扶養費の不正項のその他とは交通費の水増しなど
また2ページの不正受給の弁明で、「知らなかった」とか「金額がわからないので申告しなかった」など、故意(不正)以外の29件/85件は、市職員のカンファレンス等で不正と認定したもの

7.職員課長の資料説明
資料3の4、5ページを説明
4ページの事務吏員と主事は同等であると説明

8.市生活支援課長が資料説明
資料4 保護のしおりの文言が変わった点について説明(筆記できず不知)

9.市民部副部長が資料説明
資料6の説明

10.職員課長が資料説明
資料7の資料説明

11.櫛田氏
生活保護の改正時は現場でなかった、と言う前提を語ったうえで、保護のしおりを読んで
1.自立助長の記載がない
2.民法上と生活保護の狭間で家族の支援の強要は額面通りの理解で本当に正しいのか?
3.資産が1か月以上ある場合との記載は、その考え方でいいのか?
→過去に僕が対応した事例で、食器や家具(炊飯釜や冷蔵庫など)を購入しても置く場所がない。それを購入するためのお金をもっていると保護でアパートに入れないというジレンマを相談されたが、市役所は原則論で却下されてしまったことがある。アパートに入る瞬間は、お米も買えないし、炊飯釜も食器もない状態でないと入居できないのが現実。
4.交通困難地域での自動車の所有についての考え方
→これも僕の過去のやり取りでは、小田原市は車所有をしても生活困窮なので任意保険に入らない方が多く、有事の時問題が生じるから小田原市はNGだと言われた。

自立支援の取り組みについて
5.2005(H17)年3月に自立助言を受け、国がプログラム化したがケースワーカーがやるという形になった。果たして本当にできるのかが疑問。(すいません、僕のスキル不足で質問の意味が理解できなかったのでこのオブジェクトの内容が間違っているかもしれません)

困窮者支援
6.資料5ノ3ページ(1)で相談のみが157件あったが、相談オアとその方たちがどうなったかが気にかかる。

12.市生活支援課長
櫛田氏の質問に回答。
1.自立助長は修正を考えたい。
2.親子間は民法の定義は強いが兄弟とは慎重にするように国からも言われている
3、4.原則不足が生じるまではNGだと思っている。自家用車の件は櫛田氏のお見込み通りで、仕事通院は認めている。
5.自立支援プログラムは、経済支援、社会支援、日常生活支援と3つに分かれそれぞれ対応をしている。その中の社会とかかわるプログラムはケースバイケース。
6.一般論として生活保護がどういうものか聞きたいとか、特別逼迫した困窮ではないことが多い。また、後日再度訪問される方もいる。

13.櫛田氏
ケースワーカーだけでは無理があり、もっとマンパワーが必要だと思う。
保護のしおり内の「原則NG」 だが、条件付きなどでOKなどは事細かく説明をしているのか?それがないと原則NGではなく絶対NGになってしまう。

14.座長
保護のしおりの中で、他方・他政策の活用の民法上の優先については、「原則保護を出すけれど、家族もご家族の方がそういう状態であることを気にしていてほしい」と言うニュアンスなのではないか。

15.森川氏
資料2について
1.民民事例なので行政不介入の原則はあるだろうけれど、保護と言う状態では単なる民民の事例ではない。保護受給者が行政に対して相談し頼っている存在であることを十分認識すべき。少なくとも大家側に立ってのものごと解決はおかしい。
2.法定更新になってしまう。まずは居宅を守ること(たとえば東京都の判例で裁判闘争中は家賃を振り込み入居を続けられるようにすること)、法テラスのような弁護士の紹介をあっせんすること、などもし出なければならなくなった場合の対応も相談を続けてあげることが大切。
3.自立支援で無低しか紹介しないこと、無低に6カ月以上生活すること、無低を拒否した時生活保護NGにすることはおかしい。
4.不明確な書き方が多い。この制度は病気などでと書いてあるが、病気はともかく、では失業はこの「など」に入るのか否か、また保護者の義務も指導に従う義務は努力目標ではなく義務であり破ったら義務違反で失効してしまうのか?などわかりにくい。また、最初に保護のしおりを渡しておいてよく読んでおくように、と言う形式的な説明になっていたのではないか?
5.前回の不正発覚も課税調査によることが多い事が今日の資料で分かったが、頭書から受給者が理解できるように説明しているか?疑問がわく。また、2009(平成21)年と2012(平成24年)に急に増えた理由は何か?
6.資料3の不正受給の弁明に対して行政側の主観が入ってはいないか?

16.市支援課長
15.の森川氏への回答
4.説明は丁寧にしたが、長年経って行政が説明したことを忘れてしまう方も多いと思われる。
5.課税台帳の突合強化が原因だと思うが詳細は不明
6.ケースバイケースで一概には何とも言えない。

17.和久井氏
保護のしおりについては、日本中あちこちのを見たが、小田原市のは受給のための要件についての記載が厳しくまたわかりにくい。平易な言葉を使う、漢字にはルビを振るなど分かってもらう努力が大切。支援課長がわかってもらうように努力をしているというが、この資料を見るだけでは根底の努力不足。
押し付け・脅迫のオンパレード。困窮している人への応援の気持ちが微塵にもない。
親族に疎遠で相談できないから、またDV等で所在を知られたくないからと言う気持ちを理解しようという部分が見えない。これを見たのなら『もういいや』とあきらめてしまう人は多いだろう。
第1回目の資料でケースワーカーさんが先輩に教わりながら学ぶと言われたが、このしおりを見ているとどういう教わり方か疑問に思える。だんだんこのトーンに染まって行ってしまうのではないか?

18.座長
経済学者として資料を読み解いて疑問に思ったこと
1.前回の資料で、高齢者の保護率は全国平均並みだが、母子家庭の保護率がかなり下回っているがその理由は何か? 勘ぐれば、母子家庭には若干でも収入があり、それを盾に水際作戦を展開しているのではないか?
2.決定までに要した日数が、14日の法的要件をクリアーできない比率が極めて高い

3.28年度の支給を窓口で現金支給している率が高い。
4.2013(平成25)年ー2015(平成27)年の不要調査が厳しくなったように読み取れる
5.1年未満で異動する職員と5年以上異動しない職員で構成されている理由。また、女性職員率が異常に低いのは、怖い人・悪い人がやって来るという偏見のもとに人事異動しているのではないか?

19.支援課長
1.意識していないのでわからない
2.調査を念入りにしている。その間は社福のつなぎ資金を利用している。
→市役所はそのつもりかも知れないが、社福側から支払われないケースは多分にある。以前に社福が運営する高齢者の風呂に野宿の高齢者(年齢的に合致する)方が入りに行ったが、受付に住所欄がありかけずにいたら追い返されたことがあり、野宿者から僕のところに相談があり、市福祉課に問い合わせしたら社福は部署外なのでこちらからは要請できないと言われ、社福は規定だから書かなければ絶対に入れないを繰り返した。その後我が家の住所で入ってもらって事なきを得たが釈然としないのでよく覚えている)そこから考えればつなぎ金がそんなに簡単に出されるはずもなく下出さないことにクレームをつけられないと思う。

3.窓口払いは、無低運営者からの要望でそうなっているが、国は振り込みにするように指導しているのでそれに従うようにする
4.念入りに調査している結果。

20.福祉健康部副部長
(続いて井手氏への回答)
5.改善すべき点だと思う。

21.櫛田氏
上記2.項の14日はた法律にはない点。それは困窮の極みの中で駆け込んできたので早急に解決しなければならないゆえのこと。
多くは預金調査に費やされるのだが、銀行にしたらどうでもいいこと。それ故に早急の回答など考えにくい。だから一度他項目のみでいったん決定し、もし預金の部分で問題があったら改廃すればいいだけのこと。
そもそも申請主義は限界だ。困窮者が来れない場合もあることを推察し行動を起こせなければ解決には結びつかない。

22.森川氏
以前自分が担当した事例で、借金があることをケースワーカーに言えずに保護受給始めた。自分の生活は保護費で、借金の部分のみ仕事をしてコツコツ返したが、それが不正受給と言うことになった。法的にはそうであっても、借金まで話せる関係性があったのか?そこが大きなポイント。

23.櫛田氏
今回の殺傷事件からジャンパーにつながったのは、小田原市に労働組合がないことも一因しているのではないか?
組合を作れとかいうのではないが、受付で一人困窮している職員を他職員が見て見ぬふりをする、上司が出向かない、など部署全体で取り組む姿勢がジャンパーと言う形になったのではないか?
孤立してしまった故に、部内だけでもまとまろうとしたのはよく解る話。

24.和久井氏
保護について小田原市民がどこまで理解しているのかも考えなければいけない

25.座長
1,2回目を終えて一度集約。
小田原市がここまで情報を開示するのは、問題を本気で解決したい意識の表れとして経緯を以て広範に取り組みたい。
この問題は小田原市の問題ではなく、国の財政に左右される問題。
受給者とケースワーカーの問題であるとともに、先ほどの組合の話もあったが市庁内での福祉部の存在についても考えたい。
次回は異例の3時間と言うことでもあるし、いよいよ改善提案を検討することでもあるので、市職員側からも改善提案を出してほしい。

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