南相馬―フィールドワークキャラバン(群盲象を評す(前)、の巻)

午後は浮船の里にお邪魔をし、お蚕さんや織物の話、を聞き、久米さんの車で周囲を見させてもらいました。
順序は逆さまになりますが、まず現地視察から話したいと思います。

話は「どう生きるか?」になってしまいます。それは自分はどう生きるか?であり、社会は隣人とどう生きるか?にもつながります。
社会と言う概念がある意味明確に確立した中世以降、社会は実は差別の歴史であったのかもしれません。
身分制度を作り謂れのない被差別竹問題、在日韓国朝鮮人、ハンセン病、そしてヒロシマ・ナガサキの原爆へとつながります。いずれも、「家系」として差別蔑視をし、結婚問題や就職問題になるまで苦しみをさせる訳です。現憲法下において「平等」を謳いながらも、一人一人の心の仲間でその精神は浸透していないことが如実にわかり、それゆえ同じ間違いを繰り返してきました。
それは他人の芝生が青く見えるからではないでしょうか?出し抜いても…と言う気持ちが心のどこかにあったから、逆に他人の生活が良いと出し抜かれたと地団駄を踏むのではないでしょうか?
20km圏外・帰宅困難区域・住居制限区域・避難指示解除準備区域によって国から出される補償の差異があり、不満を感じる人もいるそうです。
またそこで補償金をもらったことで身を崩す人もいるそうです。
でも久米さんは、こうした困窮をしたことで、本当に大切なものに気づかされた、と語ります。それは感謝する気持ちとか、人の心とか、目に見えない物ばかり。
それはがんサバイバー・ケアギバーにも当てはまるような気がします。久米さんの言わんとすることがすっと心に染みてくるのは、がんと言う病での困窮を味わったことで大切なものを確認したメンバーだったからのような気がします。

僕はケアギバーでRFL(リレーフォーライフ)に行けば困窮の当事者であるサバイバーさんとたくさん会います。少しでも出来る事を、と、サポートできるように出向きますが、結局は帰る時に気がつくのは元気のおすそ分けをしに行っているはずですが、いつも逆に元気をもらって帰って来ること。
そうした同様の感情・心もちを体験しているから言わんとしている事はよくわかるのです。

もちろん、がんで家族を亡くされたばかりの方の中にはいくら慰めの言葉を言っても心を閉じてしまっている方もいるし、病憎しと言う憎しみを糧に生きている人、絶望で魂が抜けてしまったような人、様々な人がいてそれは外部の僕たちがどうこう言う筋合いではありません。
でも、それでも僕たちと接することで、その痛み、困窮、悲しみが少しでも薄らいでくれれば至福なんです。

そして久米さんは「私たちは可哀想な人ではない」と言います。「十分幸せを感じている」とも言います。
この言葉も僕らはシンクロします。
「がんになっちゃったんだって、可哀想にね」世の中にはそういう人もいます。が、残念ながらがんになっても可哀想ではありません。不幸でもありません。少しだけ驚いたり、泣いたり、そして不自由になったりすることはありましたが、それは可哀想でも不幸でもないのです。
まさに近隣で原発事故があった人たちも同じでしょう。
驚き、泣き、そして不自由を強いられても、可哀想な人ではないのです。不幸な人ではないのです。自分の人生を切り開いて歩む力を持った人たちです。

そんな人たちが小高には徐々に集結してきました。新たな街づくりが始まるのでしょう。ワクワクはします。

20160604-21

20160604-23
(上:小高駅。間もなくこの駅にはホームアナウンスが響き、乗降客の往来ができるんだろう。
 下:浪江駅。こちらはまだ列車が来る予定はない。すなわち街づくりが始まらない)

でも、5年は長かったです。
閉め切って風を通さなければ家は傷みます。草がわずかな隙間から侵入し、小動物が置き去りにした食料を狙って忍び込みます。新しい地での生活、仲間、生きがい、すべてが始まり5年育まれてきました。
それをゼロクリアーして戻ってきなさい、は大きな決断です。
戻れないと涙を流してあきらめる人もいるのでしょうね。
それとこの敷地。国は避難地域から解除をしておきながらなぜこうした気持ちをナーバスにする物も同居させるのだろう

20160604-22

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