ブラサイジョーものがたり(episode6 関東を治める者)

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「そもそも関東管領の名家上杉を長尾ごときが名乗るのがおこがましわい。山内上杉家は憲政が河越でわが北条軍に敗北した時点で終わったものよ。長尾家が勝手に職を譲られ管領を名乗るなんぞ認められるものではなかろう。
それでも謙信殿はともにこの関東を納めると三郎景虎殿をご嫡子としてお受けなされたものを長尾景勝の奴めお家を乗っ取るとは許すまじことよ。
何としても景勝は叩き潰さねばならぬ。」
1570年、北条の一族から友好の証として氏康公の七男であり玄庵公の養子である北条三郎、時に16歳が謙信の養子として越後に出向いた。男色の謙信は美男子の誉れ高く聡明なこの若者をひどく気に入り自分の初名を授けた。
しかし上杉の家臣職である長尾を継いだ景勝は乱を起こし、北条からの若者を殺戮し自らを上杉の跡取りとした。
「われは名誉ある関東管領。帝ならびに足利将軍からの命を受け、関東を制圧する。今関東をかどわかし強奪している北条は、誰の許しを得ることもなく勝手に鎌倉源氏の由緒ある北条の名を使用している不届きものなれば天誅を下さねばならない。」上杉を新たに名乗った景勝はそう鼓舞した。
***
「これは山城の守、よくお越しになられた。」秀吉は愛想を崩し直江兼続を迎え入れた。「羽柴殿におかれましてはますますご機嫌うるわしゅう…」
挨拶も終わらぬうちに秀吉は言葉を遮った「いやいや、今回の魚津の一件は大変だったようで…いや、わしは上杉を責めるのは反対じゃと殿に進言していたのじゃがあの権六の奴めが」
「いやいや、織田様に盾をつくつもりは決してござらぬところ、まことに申し訳ない次第です」直江兼続は畳に頭をつけてひれ伏した。
「いやいや頭をあげられよ、わしは景勝殿が織田に逆らうなどおくびにも思っておらんぞよ。あの素直なお方故に本願寺との板挟みにあったのよ、のぉ」
秀吉は気にもかけていないと深くうなづきながらそう語りかける。
「いや御国元にお帰りになり秀吉は上杉のお味方ゆえ、何なりとお申し付けあれ、と景勝殿にお伝えくだされ。きっと気をもまれておられるからのぉ」
当面の敵柴田勝家の背後にいる強国上杉は恩を売っておけばきっと役に立つ。秀吉の頭は天下統一に向けて急速に働いている。
****
「上洛は吝かではない」氏政は評定衆を前にしてそう言い放った。しかし、盟友家康殿には礼を尽くしてのもてなしだったと聞くに、いやしくも徳川家より家柄の高い、いや日の本で一二を争う国持ちのわが北条には使者を遣わすだけとは、あまりにも無体な仕打ちではないか。
そういうと、独り言のように「行く気がせんのう」とぼそりとつぶやいた。
上杉を配下に置いた秀吉が北条を陥れようと狙っていることまでは氏政も感ずいてはいなかった。

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