仕事をしているなどという理由で断られ・・・

生活に困窮して家賃を滞納し、公営住宅から強制退去させられる当日、中学2年の一人娘を殺害したとして起訴された母親の裁判員裁判の判決が12日、千葉地裁(佐々木一夫裁判長)で言い渡される。別れた夫は借金を残した。娘の制服を買うためにヤミ金融にも手を出したが、生活保護は受けられなかった。「なぜ殺してしまったのか。誰かに相談すればよかった」。法廷で涙を流して悔いる母の言葉を、裁判員はどう受け止めたのか。

 殺人罪などに問われているのは千葉県銚子市のパート従業員、松谷美花被告(44)。起訴状によると2014年9月24日午前9時ごろ、県営住宅の自室で長女可純(かすみ)さん(当時13歳)の首を絞めて窒息死させたとされる。
 月1万2800円の家賃の滞納が約2年間続いたため、県が住宅明け渡し訴訟で勝訴、事件当日は立ち退き期限だった。午前11時10分ごろ、鍵を開けて立ち入った地裁の執行官らが、布団の上でうつぶせになった可純さんの遺体を見つけた。
 被告は放心状態で座り込み、可純さんの頭をなでながら4日前に撮ったビデオを見ていた。体育祭で赤い鉢巻きをして走る娘の姿が映し出されていた。「これは私の子。この鉢巻きで首を絞めちゃった。ビデオを見終わったら自分も死ぬ」と話したという。

 今月8日に始まった公判で、生活の様子が明らかになった。会社員の夫は結婚当時から数百万円の借金を抱えていた。その返済や生活のために被告名義でも消費者金融から金を借りた。02年に離婚し、06年から学校給食のパートをしながら返済を続けてきたが、12年5月から家賃を払えなくなった。
 可純さんの中学入学直前の13年春、制服や体操着を買うためにヤミ金から7万円を借り、少なくとも5業者から違法な高金利で返済を強いられた。国民健康保険料も滞納した。パートの時給は850円、月給は4万~8万円。ただ、事件を起こした14年9月は夏休み明けだったためゼロだった。事件当時の預金残高は1963円しかなかったが、被告人質問で「市が雇っているので掛け持ちのアルバイトは無理と言われていた」と説明した。

 実家の土地を無断で借金の担保にしたため両親とは絶縁状態だった。友人からも借金を重ねたが、事情は話せなかった。生活保護の相談で銚子市役所を訪れたが「仕事をしているなどという理由で断られ、頼ることができなかった」という。
 困窮した親子を救う手立てはなかったのか。市社会福祉課は取材に「制度の説明を聞きに来ただけだったので、詳しい事情の聞き取りはしなかった」と説明した。立ち退きを求めた県住宅課も「被告の生活状況は把握していなかった」という。

 「本当は私が死ぬはずだった。可純に本当に申し訳ない」。松谷被告は法廷で涙を流した。自分の腹を切るため、台所のテーブルの上に一番切れる包丁を用意したとも明かした。量刑以外に争いはなく、検察側は「被害者に責任は全くなく、犯行は身勝手だ」と懲役14年を求刑した。弁護側は「事件の経緯は同情に値する」として執行猶予を求めている。

【川名壮志】 2015年06月12日 03:01 毎日新聞

親子2人暮らしで月に4~8万円。相談に乗ればどう見ても生活保護対象になるのは明らか。
なのに「仕事をしてくるから」と相談を拒否した? 明らかに職務怠慢じゃないか!

医療従事者が「命」を扱う仕事して尊ばれるのと同じ、福祉の仕事も「命」を扱っているんだよ。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

take1960

Author:take1960
FC2ブログへようこそ!

カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
検索フォーム
最新コメント
最新トラックバック
FC2カウンター