サウロとパウロ

小田原交流パトロールに、新しい仲間が参加してくれた。
既にご一緒に活動をしているK先生が授業で、野宿者の事を話してくれたのを起因として、3年間心の中でこの問題の事がくすぶっていたらしい。
大学で政策を学ぶにあたって意を決して参加してくれたとのこと。とてもうれしいことだ(^^)/


K先生の授業の中では、いわゆる自己責任論を果たすべきだという考え方だったそうで、「若気の至り」としきりに照れていました。
この話は決してどちらが「真理(正しい)」なのかと判断できる問題ではないと思います。そこにあるのは自分は周囲の人とどうかかわって生きて行くか、という事なのでしょう。
でも、ぼくも1993年藤田牧師が病気をなさるまでは同様に『野宿者は自業自得』だと思っていたことは、過去にこのBlogでも何度か書いています。横浜寿地区の野宿者支援活動である寿地区センター20周年誌に寄稿をした際にもそのことを記しました。しかも僕の場合は、野宿者が自己責任ではない時がついた1993年は既に34歳でしたので、18歳でパトに参加したことは僕に比べてはるかに早く自分の考えを確立したのです。

クリスチャンは聖書を自分のために書かれた物語、すなわち人生の指針(ガイド)として読みます。が、そうした時にこの「若気の至り」という言葉に呼応するのが、サウロとパウロのことです。(別にサウロとパウロという2人がいたわけではないですよ、念のため)
熱心なユダヤ教徒のサウロがイエスの弟子たちを迫害していたのを、甦りのイエスに出会って真実を知った時に180°考え方を変えて、今まで迫害していた側に付き、最後は自分も殉教し、その出来事が新約聖書の中心になった事です。

気が付くというのは不思議なことで、出会っても気が付かないことは多々あります。
たとえば傘地蔵の話。この話は武田鉄也さんがTVでお話ししたのを聞いてなるほどと思った話ですが、このおじいさんは行きもこのお地蔵さんの横を通ったはずです。でも、その時はお地蔵さんに気が付かなかった、それはなぜだろう?
それは行きは、この傘が売れたら餅と米を買って。と皮算用していたからで、頭の中には商売の事しかなかった。
それが一つも売れずに帰る時、失意と世のはかなさを実感した時に、雪をかぶったお地蔵さんの痛み(寒さ)がシンクロして初めて気が付いたのでしょう。
痛みを知らないことは素敵だと思うと同時に、痛みを知ったからこそ痛がっている人の真意を知る事が出来るのでしょう。
「若気の至り」とは痛みを体験しないで過ごせた日々がベースにあるのでしょう。そして生きて行くのは自分の思い通りにならないというジレンマ(痛み)を受け克服し、その辛さ故に痛みを共感できるようになっていく、それが「若気の至り」に対応する「年の功」という生きる知恵なのだと思います。

後にパウロと呼び方を変えたサウロ。サウロと名乗っている時代は、名家の出身で優秀で行動力のある若手のポープとして怖いもの知らずだったのでしょう。
でも、自分が関わった石打の刑で目の前で死のうとしている人の最後の祈りが「(私に石を投げて殺そうとしている人は)自分が何をしようとしているのかわからないで石を投げています。だからこの人たちの罪を取り除いてください」と祈る姿を見た時に、自分の誇っていた強さや権力、価値観が崩れ去っていくのを感じたのではないでしょうか?
この人の信仰には勝てないと敗北感を感じたのではないでしょうか?

キリスト教の教えの中に「弱さを誇れ」というのがありますが、まさにこの世の強さのような財政力(お金)や権力、軍事力などにあぐらをかいていけないことは誰もが思っていることではないでしょうか?
人が作ったルールや価値観は、所詮人が作ったもの。どんなに完璧に見えても、それを破る人が出るし、違う価値観を奏でる人がいます。世の常識という中に漬かって過ごす人生を否定はしませんが、人生の生き方はそれだけではないことは事実です。
何も持ち合わさなくても、心を持っている、愛をもって接することができる、傾聴でストレスを相手の発散させてもらう事が出来る。こうした隣人になれるほうが素敵なことではないかと思います。心豊かこそ「勝ち組」のような気が僕はします。

話がどんどんそれていきましたが、こうした活動が時世を越えて続けられるように若者が参加してくれることは大変心強くうれしいことです。
いろいろと学んでほしいものです。

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