相馬・南相馬フィールドワーク(Ω)

紙と木の文化に突然入り込んだステンドグラス、笙や笛の音の所に入り込んだオルガンの音色。キリスト教はそうした目新しさとある種洗練された純粋な美しさがあこがれとして頭の片隅に入り込んだのかもしれません。
ですからクリスチャンというと、敬虔という枕詞、そしてスマートなイメージが付くのですが、実際のところは大いに違う側面もあります。
ただ、クリスチャンに規せられたことは、イエスのみあとを歩む、という事。
イエスのみあとというのは、差別や偏見が充満していた社会に、ローマ兵や権威の象徴の宗教者、そして無知から来る闘病者への蔑視、女性軽視、などを一切無視して、ひとり誰とでも平等に接し切った事でしょう。「あんな奴と付き合うな」「お前のためを思って言っているんだぞ」そんな言葉に耳を傾けず信念を通した生き方。
そのためどの地でもトラブルを引き起こしていました。今でいう空気が読めない人だったと思います。
が、21世紀、イエスが問題視してなくそうとした差別・蔑視は、今では当たり前のように排除するように考えられています。

しかし、2000年前、彼はこれらのことが原因で、一人磔刑の死を遂げたのです。「周りが下げ荒んでいるんだからお前も仲間に入れ。」「何一人いいかっこしているんだ。」いじめには大人も子どもも関係なく、自分のポジションが社会的にきつければ暴徒のようになって特定の人を攻撃することでストレスを発散します。
それを一人静かに受け止め、「彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。」と神に祈りながら死んだイエス。

そうした人の後を歩め、という泥臭く重たい命題を「引き受けます」と告白したのがクリスチャンです。

今回の旅で出会った人たちはクリスチャンではありませんが、同じ香りがする人ばかりでした。
みんながやるから、とか、誰もやらないなら自分もやめようとか、そうした判断基準が他人との比較ではなく、自分がやりたいから、と前向きに生きている人ばかりでした。
誰もやらない中始めることは、とてもパワーがいることです。出る杭は打たれる、智に働けば角が立つ、また、長いものには巻かれろ、寄らば大樹の陰という言葉通り、お上のやっていることに黙って従うのが善策だという風潮が広がっている日本の中で、であった皆さんは自分の明日を真摯に考えて動き始めた人ばかりです。

本来ならば、これはお上の仕事。復旧復興をしますとの約束が、3年経った今も何もできていない現実。
多くの天井のないトタン屋根プレハブの仮設住宅住まい。
海からの南百mは延々と何もない原っぱ。
広大な農地は、立ち入り・耕作ができない状態。
豊潤な大地と海、そうした大切な財産を国家は無駄にしている現状。

その中で自分の十字架の意味を知った人たちです。
泥臭くても、がむしゃらにでも、背負った十字架の重みをかみしめながら、それぞれの残りの人生、自分のために、そして故郷のために、子孫のために動き始めた人ばかりです。
誰かがやるのを待っているだけでは何も動かない。なら自らの手でけん引していくという十字架。
行政の煮え切らない態度を見て、あてにできないと気が付いたら、自分で始める力強さ。

たぶん世の中にはそうした決意を持って生きている人がたくさんいると思います。そうした人に出会うと共鳴し、なんだかパワーをもらえます。
「例え明日地球が滅びるとも今日君はりんごの木を植える」 とマルチン・ルター師は言いました。
残念ながら今回の旅の中でガイドをしてくれた皆さんが復興の感性の日の目を見ることはないでしょう。
志半ばにこの世を去る日が来るかもしれませんが、それでも最後の日までりんごの木を植えれるような人生を共に送りたいですね。
(他人事のように)応援しています、ではありません、少しでも共生していきたいと思います。

悲しい現実とともにすがすがしい思いも感じて帰ってきました。それはある意味、所詮どんなに頑張ったところで、どんなにいい政治をしてきたところで、どんなに素晴らしい政治家を何十、何百人輩出してきたところで、悲しみはどこかで必ず起きるし、その時政治家という他人の活躍を待っていてもしょうがない。
小さな一人一人でも自分の政治信念をもって歩む、そうした生き方をする人が多くなればおのずとも世の政治はよくなるという見本でしょう。自分一人でもやってみよう、という意気込みが、実は世を変えていくベースなのかもしれません。
生きることはだれかに任せることではなく自分で切り開くことなのでしょう。

そもそも日本の伝統文化のいくつかは、それしか作れなかった、という貧困ゆえに育った物も多いです。マイナスの要因だけを見て悲観したところから何も生まれないのは、今回皆さんから学びました。

政治グループとしてのフィールドワークでした、そうした既成ではない政治スタイルにつながる皆さんの動きがすがすがしかったからそう思えたのかもしれません。
ガイドの皆さん、出会ったみなさん、本当にありがとう。感謝です。

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感謝

今回の「フィールドワーク」、何から何まで、お世話になりっぱなしでした。感謝の言葉も見つかりません。
初めての「福島」、これまでに無い学びを得ました。この学びを持ち続けていきます。

Re: 感謝

松本さん
コメントありがとうございます。

リスクを背負ってもやらなくてはならないというのは、2002年のイラク日本人人質事件を思い出します。
リスクがあってもやらなければいけないことは、たとえば消防士が危険な火災現場で活躍しなければならないし、上記の海外ボランティアもそうですし、福島の皆さんもそうでしょう。
その時「あなたはその活動をどう思うか」は、自分がどう生きるのかにつながることでもあると思います。
リスクを承知の人たち、でも僕の微力でも加われば、そのリスクが少し減るのなら僕はその仲間に加わりたいです。
また、あちこち行きましょう!!
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