賽德克·巴萊

横浜のジャック&ベティで小田原では上映されない「賽德克·巴萊(セデック・バレ)」がこのGWに上映されるというので見に行きました。
花蓮の町の大きなお土産物屋さんにも映画PR用のモーナルダオさんと愛犬の銅像がありました。
そして第8回大阪アジアン映画祭の特別映画で上映されて、数人の方から素晴らしかったとのコメントがインターネットでUPされていたので楽しみにしていました。

しかし274分、つまり4時間34分の長い映画です。ジャック&ベティでも1日1回の上映です。気合を入れて見に行きましょう!!

良質の映画、特に経営的に難しい映画を上映する映画館として有名ですが、時間と往復2000円の交通費をかけていくのはなかなか厳しく、小田原以外で映画を見たのは「ヒロシマナガサキ」を岩波ホールで見た以来です。
初めて行くので少し早めに、横浜経由で黄金町。
太田橋を渡り、大岡川沿いに次の橋の住吉橋まで行き右折したらすぐにJ&Bはあります。

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せっかく来たのでまずチケットを購入。混雑が予想されるのかチケットと一緒に整理券を渡されます。はじまる20分前に戻るように言われ、伊勢佐木モールにでもお昼を食べに行きましょう。

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向かうとちょうど横浜みなと祭りを行っていました。
映画を見ながら飲むコーヒーを購入しようと、スターバックスの前でしばらくお祭りを観覧。

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アイスカフェモカのグランデを買って映画館へ。

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1700円×2枚の長い映画のスタートです。

最初から画面の美しさ! スクリーンから目が離せられない美しい台湾の山岳。台湾が美麗の島と呼ばれていたそうですが、まったくその言葉通りの美しい景色です。
と、突然裸足の若者が獲物を追っていきます。スピード感のある画像。
主人公のモーナルダオが獲物を仕留めようとした時、同じ狩場で狩猟をするライバルの村のトンバラ社に横取りをされそうになり、敵の戦士を「出草(首狩り)」をします。
そして時間が経過して…
日本が中国・清から台湾を譲渡します。
第2次世界大戦中の日本人がアジア諸国の人にした蔑視はいまさら話さなくても多くの方がご存じのとおりです。
昨春の台湾旅行でも、特に花蓮のチワン記念教会でもその手の話を聞きました。漢民族よりも原住民族は一段低く見られていたのでしょうか?
その不満は徐々にたまっていき、結婚式の日のトラブルで爆発します。
その爆発は、原住民を蔑視している(見下したものの反乱)とする日本人全員に向けられ、運動会の日に「出草」を行います。
霧社事件です。
こうしたトラブルは民衆の不満を封じ込めるために1部の人たちを「いけにえ」のように蔑視させる政策で、日本でも被差別部落や現在のホームレス問題がそれです。民衆に多くの不満がない時はこうした「爆発」はなくても、政治が荒れると大きな問題として現れてきます。バブルの時はホームレス問題が表に現れにくかったのが、ここ数年生活保護不正受給などホームレスの困窮に目がいかず権利面だけがバッシングされるのがそれを表しているのでしょう。
台湾に渡った日本人のため、漢民族のために、誰かを見下すことが政策的に行われたような気がします。

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勝ち目のない戦いの始まりでした。滅亡への第一歩です。

命について考えさせられました。
自分の命は自分の考えでいいかもしれません。自分の人生をどうするか、は自分で決めてもいいと思います。
でも、そのことによって周囲に迷惑をかけるとしたら…、どうなんだろう?と考えます。
民族の繁栄と滅亡のために、個の命は大切にされなくていいか?という疑問を感じる映画でした。

一族という大切な絆がこの事件を、いや僕らを含めて多くの民族を脈々と歴史として続かせてきたのでしょう。
考えてみれば、キリスト教の旧約の歴史も同じだったのかもしれません。
昔ユダヤの人々は…という子ども讃美歌があります。

昔 ユダヤの人々は 神様からのお約束
尊い方のお生まれを うれしく待っておりました。
尊い方のお生まれを みんなで楽しく祝おうと
その日数えて待つうちに 何百 年もたちました。


この讃美歌にある「待つ」は、自分というこの時間ではないのでしょう。何百年、つまりはアドベントは何十代という民族の歴史の間の話です。神が現れる事を知りながらそれは自分の人生ではない。自分の前ではない、自分という個には栄光が現れない子孫のために「つなぎ」の人生…。

そうした個ではなく民族としての抗戦は、食料をすべて戦士に渡すために女性子どもたちの自死を生みます。
個が失われる、その中でも戦士たちは民族の誇りをかけて日本軍と激しい戦いを繰り広げています。何かむなしい…。

そして、日本軍は非合法の毒ガス(ビラン剤)をしようしてまで躍起になりますが、鎮圧できません。


その時から時代は80年経ちましたが、戦いの片方の国家に属する僕がその誇りについて記するのは不遜かとは思いますが、民族というもへの誇りが自死をしてまで、愛するものを死へ追い込んでまでするものか、という思いはどうしても消えませんでした。

その一方、この騒動のきっかけは、日本兵や教師がよくいっている「教えているのだ」という言葉にあるような気がします。『教える―教わる』関係、『教師―生徒』の関係だとするのなら、師である者の一番しなければいけないことは『相手を知る』ことではないでしょうか?『相手の望み、相手の琴線 を知ること』ではないでしょうか?
それができるから師は尊し、と言われ、それができなかったからこそ、諸アジアで恨まれる原因になったのだと思います。

この映画はその視点で、抗日映画とも反日映画とも言われています。その一面はあるとしてもその側面だけで論議することは決していいことではないと思います。
台湾は今有数の親日国です。
過日台湾に行った報告を「台湾クダクダ通信」に記すよう言われた時に以下のような旨を記しました。
でも、その裏でこうした悲しい事件があり、日本人を恨む人も少なからずいたことは確かです。その人たちが泪を超えて、僕らを歓迎し手を差し出し握手をしてくれたことは「ノーモア・ヒロシマナガサキ」といったノーモアと同じ『(恨みを)してはいけない』という考え方だと思い、その真意を組んで手を握り返したい、と思うのです。

4時間34分…長い時間だと思いましたがあっという間でした。引き込まれたままあっという間に終わってしまいました。
美しい滝、社と社をつなぐ長いつり橋、豊かな山、そしてチワン教会のトイレのステンドグラスにあった額と顎の入れ墨&黒いふんどしの戦士。何よりも主演のモーダルナオ役をした林牧師の壮観で雄々しい顔(本当に牧師かよ(@_@;)) 首狩り族の抗争ですから血しぶきのすごいのは致し方ないですが、そのマイナスを引いたところで見て損のない映画でした。

霧社事件にお詳しい方に案内をしてもらいながらまた台湾に行きたいものです。

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DVDから綿密にシナリオ本に復元したSiteです。
すごい正確に記してあるので映画前には見ない方がいいかも

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