公園で、路上で、排除されても、また暮らす

「渋谷も人数はそんなに変わりはありませんよ」穏やかな顔をして小川さんはそういった。
午前中、なか伝道所での礼拝に集い、午後はここ寿生活館4階の会議室での学習会「公園で、路上で、排除されても、また暮らす」に参加した。宮下公園という渋谷駅前の公園の封鎖を巡る学習会で、講師に小川てつオさんをお呼びしてのもの。
話が終わり司会のオリジンが僕に意見を求め、小田原と渋谷の支援の対比を語った回答が最初の言葉。
元来僕はヘタレでジクドウ者だからか、同じ程度の人数での宮下公園の戦いは衝撃的でパワフルである。
でもそれは小田原という土地柄があるかもしれない。温暖で穏やかな土地ゆえ闘いを好まず、そんな妥協する生き方が性についているから戦いが無いのかもしれないし、小田原交流パトロールのパトビラの文章も穏便なものになっちゃうのだろう。
が、自分を卑下してそう言っているのではない。ぼくのような人間が生きやすい社会こそが良い社会だと僕は思っている(笑)

20170423-11

宮下公園は暗渠になった渋谷川とJRの路線の間に作られた細長い公園で1階は駐車場スペースで2階部分に人工地盤で空中庭園さながらの公園を作り上げたもの。こうした事は1964年東京オリンピックによる再開発による「特例」の公園だった。その後こうした立体公園は地下に駐車場を作るなどの形に変えて広く一般化していく。
駅近くの公園だが老朽化した公園のため魅力に欠け、また森林が多いこともあり多くの野宿者の定住の場所となった。桑原敏武渋谷区長時代は追い出しが頻繁に繰り広げられたが功を奏さない中、そこにスポーツメーカー・ナイキジャパンが公園の命名権を取得し、命名権だけではなく公園運営に対しても圧力をかけた。
宮下ナイキパークと銘打った公園改修に先立ち、園内の野宿を余儀なくする仲間たちは追い出しを食うものの、強引なナイキのやり方に反発する市民も多く、苦慮した渋谷区は野宿者や市民グループ等との約束を反故し夜間の立ち入りをできなくする政策を打ち出した。
またこの戦いの中、2011年4月21日に反対派の3団体と野宿の仲間1名が渋谷区を相手取り、路上生活者の生活とアーティストの表現活動の場を奪った行政代執行は違法であり、また精神的苦痛を受けたとして、600万円の賠償を求めて東京地方裁判所に提訴した。2015年3月13日、東京地裁は「代執行による撤去前に男性を担ぎ上げて退去させた」点を執行の許容範囲を超えて違法と認めこの男性に11万円の損害賠償を命じたという裁判勝訴判例も出た。

2014年、2020年東京オリンピックのための渋谷駅前再開発の事業主が三井不動産となり、同公園の一部をホテルにする計画をしたが、緑地公園のために面積減少は難しいとの判断のもと、新たな立体公園として4階建ての施設の屋上を宮下公園にするというプランを発表。
もしかしたら今後は下段階別使用だけではなく、公園の上空を別施設に利用する可能性をも含められそうなデザインになる。
僕らのイメージする公園は、大地が育んでくれた自然の土と、そこに育つ動植物、そしてそうした生き物にパワーを与えてくれる太陽や雨や風の恵みだが、ガラス張りの閉じられた空間の中の人工土壌と人口太陽、潅水装置の公園にいつしかなってしまうのかもしれない。
そうでなくてもTVのCMではしきりに除菌という言葉が使われている。微生物の恩恵によって成り立ってきた日本文化。そこには食(医)も衣(染物)もある。共生・適応できる人体であったからこそ、特に食(医)は健康であり続けられた。そうした文化からの脱却をしたいのだろうか? なにかガラス張りの公園が除菌マニアの日本人に受け入れられそうで怖く悲しい。

話がそれたが再開発に向け渋谷区と事業主は強硬策に出た。それは野宿している人だけではなく、利用者に対しても、また近隣住民に対しても何の連絡もせず突然に公園を封鎖閉園した。
もう少し詳細を書こう。宮下公園は
フットサル場 4,000 - 7,000円(1時間) 夜間照明使用料:30分250円
スケート場 一般:200円(2時間)小中学生:100円(2時間)
クライミングウォール 一般:350円(2時間)小中学生:200円(2時間)
の有料公園だ。予約している人もいたはずだが、それをお構いなく突然の閉園をするが、そこには道義的な責任はあるはずだ。

そうしたことの裏に東京オリンピックの影が見える。
スポーツの祭典とはいえ、行き過ぎた感で、政治的なボイコット、薬物の問題、そして多額な金銭と今回もあった委員へのわいろ巧作。世界一になる素晴らしさよりも、自社のウェアーシューズトレーニングマシンで世界一にしたから是非購入しろよ、的なCMやオフィシャルスポンサーで応援していますと大々的にCMする企業のための祭典に見える。
小川さんは言う、再開発とは所有権の再確認だと。自分の権限が及び自分勝手にできる場所を権力者通しが確認し合う行為なんだろう。そこには庶民が入り込める隙間は無い。オリンピックという反対しにくい大義名分の中、勝手に新しい街づくりをするという裏で、追い出しを食らうのは何も野宿者だけではなく、とかでは民家も移転を余儀なくされているニュースは流れる。

しかし最たる人々は野宿を余儀なくする人々だ。野宿者への「怖い」「汚い」「迷惑」というのは実は偏見である部分が多い。もちろんPTAでモンスターペアレントの問題や、町内でのいわゆる『有名人』もいる如く、野宿の中にも周囲に迷惑をかけてしまう人はいるし、ずるい奴もいる。でもその比率は僕らの住む御町内のそれと大差はない。多くはいいオッチャンばかりだ。そのいいオッチャンが国に迷惑をかけないように生活保護を使わないで何とか自分の力で生きていくよ、と言っているけなげな頑張りをなぜ追い出すのだろう?公園だから住んではいけないいというのだろう。頑張る人間を応援してあげようではないか!
井手先生が過日トピックスで、選択の自由が無い人が弱者だ、と書かれた。意味もなく偏見で公園にいるなといって言記載もないまま追い出すという選択幅を狭める作業を少しでも緩和してみようではないか。
公園内で共有できる道はあるはずだ。そもそも子どもたちが野宿のオッチャン達を嫌がっているという話を聞くことはない。大人が勝手に「子どもたちのために」という大義名分をつけ追い出そうとしているだけだ。

・・・しかし、こうした世の理不尽と戦うにはパワーが必要だ。当初小川さんの言葉を紹介した。人数が多くなくともパワーがあれば出来る事は多い、が、残念ながら僕にはそこまでのパワーは無い。できれば穏便にのほほんと過ごしたいタイプの人間なのだ。憧れの動物は「ナマケモノ」である。一日数時間の最低必要だけの行動以外はグータラしていたい。
が、我慢できないこともある。憤ることもある。特に命や権利が脅かされれば窮鼠猫をも噛む。
パワーが無い中でも全くゼロではない。少ないパワーながらも出来る事は言い続け、出来る事は行動を起こしたい。僕のようなグータラな人間が楽しく生きられるためには戦わざるを得ない時は闘おう。

マスコミを通じての宮川公園闘争だったが、少し深く掘り下げて聞くことが出来た。感謝!

ちなみに小川さんのBlogはこちら。ぜひどうぞ!!
今度コーヒーを飲みに伺います(^^)/
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